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卵巣がん


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はじめに

このページをご覧いただいているのは、卵巣ガン、繊維肉腫、未熟奇形腫、未分化胚細胞腫と診断され、現在、ガン治療を受けられている患者様、そのご家族、あるいは知人の方だと思われます。
卵巣ガンのガン治療は、一般的に手術、抗ガン剤、放射線療法などの標準治療が中心になりますが、最近では新しいガン治療法として注目されているガン樹状細胞療法や新規抗ガン剤治療薬、さらにそれらを組み合わせた併用療法が次々と実施されるようになってきています。
多くの患者様が、手術、抗ガン剤、放射線治療等などの標準治療でガンを克服されていますが、一方、標準治療だけでは太刀打ちできない、たちの悪い卵巣ガンをはじめとした卵巣腫瘍が多いこともまた事実です。

卵巣ガンとガン樹状細胞療法

花園クリニックでは、標準治療に最新世代のガン免疫療法を加えることにより、標準治療だけでは困難な卵巣ガンの克服を目指しています。
ガン免疫療法には、第一世代のBRM療法、第二世代のサイトカイン療法、細胞を治療に利用した第三世代のガン免疫療法(NK細胞療法や活性化リンパ球療法などの非特異的免疫細胞療法)、そして第四世代のガン免疫療法であるガン標的免疫療法(ガン樹状細胞療法をはじめとする特異的免疫療法など)があります。
このようにさまざまなガン免疫療法が存在しますが、卵巣ガンに対しては、最新世代のガン免疫療法であるガン樹状細胞療法が臨床的に有益であることが、国内外のガン治療研究(ドイツのUniversity of Tubingen 、University of Bonn、オーストラリア・オースチン病院など)で明らかになっています。
当クリニックでは、日本ではじめて自分のガン組織を利用したガン樹状細胞療法の臨床研究が行われた国立大学研究所の治療技術ノウハウを導入し、それをさらに改良して、国内で最先端のガン樹状細胞療法を提供できる体制を整えております。

効果を示すガン樹状細胞療法

同研究所で行われた悪性黒色腫(メラノーマ)、甲状腺ガンに対するガン樹状細胞療法の臨床研究では、皮膚、肝臓、腎臓、肺、脳などの全身に転移を認め、手術、抗ガン剤でまったく手に負えなくなった患者様を対象に行われたにもかかわらず、約3割にガンの縮小や長期にわたって進行が止まった症例を認めています。
また、2002年に発表されたドイツ・ボン大学で行われた自己のガン組織を利用したガン樹状細胞療法では、進行・再発卵巣ガンに対して5割に進行が停止した例を認めております。
(Hernando JJ, et al. Vaccination with autologous tumour antigen-pulsed dendritic cells in advanced gynecological malignancies: clinical and immunological evaluation of a phase I trial. Cancer Immunol Immunother. 2002, 51: 45-52.)
 ガン樹状細胞療法は、患者様のガン細胞の特徴をご自身の樹状細胞に記憶させることにより、そのガンに対する免疫を強力に活性化させる治療法になりますので、卵巣ガンだけでなく、繊維肉腫、未熟奇形腫、未分化胚細胞腫などの卵巣腫瘍の組織が入手できれば、それを利用してガン樹状細胞療法を行うことができます。

ガン樹状細胞療法の特徴

  • 1、上記のような効果があるにもかかわらず副作用がほとんどない

  • 2、手術・放射線治療のように局所だけに抗ガン効果を示すだけでなく、全身に飛び散ったガンに対して効果を示すことができる

  • 3、患者様のガンの特徴(顔つき)を体の中の免疫細胞に記憶させ、再発したときも監視・防御させ続ける事ができる(ワクチン効果といいます)

標準治療の選択肢がなくなってしまった患者様、または標準治療を希望しない患者様だけでなく、標準治療に加えて(標準治療と併用することにより)、より多様なガン治療を希望される患者様にとって、ガン樹状細胞療法は、非常に魅力的なガン治療選択肢になるといえます。

卵巣ガンに対するガン治療

花園クリニックでは、最新のガン免疫療法、ガン休眠療法、局所のガン治療を併用した独自のガン治療プログラムを提供しております。

早期の卵巣ガン

・標準卵巣癌治療+(「ガン樹状細胞療法」)

進行期の卵巣ガン

・標準卵巣癌治療+(「ガン樹状細胞療法」+ガン休眠療法)
・標準卵巣癌治療による手段がなくなった場合、ガン樹状細胞療法+ガン休眠療法+局所のガン治療と局所のガン治療でガンを縮小させ、ガン樹状細胞療法とガン休眠療法で、体内に飛び散ったガン細胞をたたきます。

花園クリニックのガン治療をお知りになりたい方は、紹介状と医療情報(血液検査、画像検査)を持参の上、当クリニックの医療相談にお越しいただければ、より詳細な情報が得られると思いますので、是非ご相談下さい。

海外の最先端ガン治療動向

海外では、日本では使用できない新しい抗癌剤も数多く利用することが可能です。花園クリニックでは、世界で最も新しい癌治療の情報が発表されるといわれる、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)をはじめとして、最新の癌治療情報を収集しています。
未承認薬についてお知りになりたい患者様またはご家族の方もお気兼ねなく当クリニックにご相談ください。

卵巣ガンの癌治療情報 1

進行卵巣ガンの生存期間1年以上延長
米国国立癌研究所
(NCI)は、進行卵巣癌患者の治療に用いられる抗癌剤パクリタキセル(商品名:タキソールTaxol)とシスプラチンcisplatin/CDDP(商品名:ランダ、ブリプラチン)を静脈投与(IV)と腹部直接投与(IP)の両方を組み合わせて施行することで、全生存期間を16ヶ月以上延長することを特例のClinical Announcement(臨床報告)をもって発表した。
この試験は429人のステージⅣの卵巣癌患者を対象に、IVパクリタキセル(タキソール)後IVシスプラチン(ランダ、ブリプラチン)の群と、IVパクリタキセル(タキソール)後IPシスプラチン(ランダ、ブリプラチン)に続きIPパクリタキセル(タキソール)の群とで比較した。
IV群の生存期間中央値は49.7ヶ月、IP群は65.6ヶ月、この時点で半数の卵巣癌患者が生存していたので、その差は15.9ヶ月以上となる。
(米国国立癌研究所NCI 2006/01/07)

卵巣ガンの癌治療情報 2

再発卵巣ガンに対するアバスチン(フェーズ2)
VEGFは血管新生を介して腫瘍増殖に作用する。アバスチンAvastin(ベバシズマブ)はVEGF モノクローナル抗体であり、最近、FDAが転移性大腸癌に対して認可した。
2005年アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)の研究発表によると、再発卵巣癌と腹膜癌で前治療が1?2レジメンの症例で抗癌剤感受性・抵抗性患者を対象として、アバスチン15mg/kgを静脈内、3週毎に、腫瘍増悪あるいは問題となる有害事象が発現するまで投与した。
再発卵巣癌と腹膜癌62例で評価され、CR 3例(4.8%)、PR 8例(12.9%)、SD 34例(54.8%)、PD 16例(25.8%)、未定1例(1.6%)であり、奏効率は17.7%(90%CI:10.3%-27.7%)、奏効期間(中央値)は10.25カ月であった。以上より、アバスチンは卵巣癌と腹膜癌に対して有効な抗癌剤と結論された。
(ASCO2005 #5009)

卵巣ガンの癌治療情報 3

卵巣ガンに対するMUC-1をパルスした癌樹状細胞療法の第II相試験
縮小、進行停止が認められた。データの中には入っていないが、さらに、もう一人の患者で、腫瘍マーカーの低下を認めている。
(ASCO2007 #5515)

最後に

上記のように、さまざまなガン治療の情報を知っているかいないかで、患者様の生活の質(QOL)も異なってくると考えられます。花園クリニックは、患者様とそのご家族が必要な情報を素早く的確に集め、納得のいくガン治療ができるようサポートしていきます。