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人工抗原樹状細胞療法


Medical Service

最新世代のがん免疫療法

第4のがん治療選択肢であるがん免疫療法。
がん樹状細胞療法は、その中でも最新世代の治療法として世界で注目されています。
人工抗原組織樹状細胞療法は、手術で摘出された新鮮な人工抗原組織を使って作製した樹状細胞をもちいたがん標的免疫療法です。

手術できない・予定がない患者様のために

本療法は自己がん組織樹状細胞療法ができない患者様、すなわち自己がん組織を確保できない患者様が対象となります。
手術などで採取したがん組織がわずかでも残っている場合は、それをもとに患者様のがんの特徴(顔つき)を調べます。
また、ある特定の腫瘍マーカーが上がっている患者様も本療法の適応となる場合があります。
手術で得られたがん組織が小さい場合は、人工抗原樹状細胞療法をお薦めする場合があります。

日常生活の中での治療

がん免疫療法(がん樹状細胞療法)は副作用の少ない治療で、外来で治療を継続することが可能です。
白血病など血液のがんを除くすべてのがんが対象となります。

適応

・手術で十分な量のがん組織を採取、保管できなかった患者様
・手術などで採取したわずかながん組織を調べて人工抗原が適合すると判断された患者様
・ある特定の腫瘍マーカーが上がっており、人工抗原が適合すると判断された患者様

人工抗原組織樹状細胞療法の方法

  • 患者様から成分採血(アフェレーシス)によって得られた単球と呼ばれる樹状細胞のもととなる細胞を、細胞を刺激する物質(サイトカイン※など)をもちいて樹状細胞へと培養していきます。
  • 培養の途中で患者様のがんに特徴的な人工物(人工のがんの抗原)を樹状細胞に加えることで、細胞にそのがんの特徴を覚え込ませます。
  • さらに培養を続け、攻撃力の高い樹状細胞へと成長させます。約2週間の培養でりっぱな樹状細胞が出来上がります。
  • 樹状細胞は、基本的に2週間ごとに脇や股といったリンパ節が集まっている皮膚の近くに皮内注射します。
  • 樹状細胞は体の中で、記憶した患者様のがんの特徴を標的として、リンパ球にそのがんを攻撃するよう強力に指令を出します。
  • 指令を受けたリンパ球は活性化され、増殖し、そのがんをねらって攻撃します。

※サイトカイン:細胞間の情報伝達をになうタンパク質で、免疫、炎症、アレルギー、造血などさまざまな生体での反応にかかわっている物質

備考

他のがん免疫療法との併用も可能ですので、詳しくはご相談ください。
※人工抗原樹状細胞療法の適応とならない患者様は、他の療法をご提案いたします。

治療の流れ

  • 1、医療相談 / インフォームド・コンセント

    がん免疫療法の専門の医師が、自己がん組織樹状細胞療法について具体的な説明をいたします。
    自己がん組織樹状細胞療法は患者様のきれいながん組織を利用いたしますので、手術を予定している患者様や手術でがん組織を採取できる患者様が対象になります。
    また併用する治療(活性化リンパ球療法等)についての説明もおこないます。
    通常は十分にお考えいただき、ご納得いただいた上で治療を開始します。

  • 2、検査 / 連携医療機関とのコミュニケーション

    治療に際し、準備いただいた諸資料・データの内容を確認いたします。
    また、かかりつけ医が他医療機関様の場合、担当医師・看護師が、患者様のかかりつけ医と連携を取りながら治療をすすめていきます。

  • 3、成分採血(アフェレーシス)

    術後、患者様の体力が十分回復したところでご来院いただきます。
    成分採血はアフェレーシスという特殊な方法で末梢血※から必要な免疫細胞だけを取り出します。
    アフェレーシスによる採血の時間は個人差がありますが、2~3時間前後となります。
    採血後の免疫細胞はクリーンルーム内で培養され、2週間後には高品質な樹状細胞ができあがります。

  • 4、治療

    治療は成分採血(アフェレーシス)日から数えて3週間以降から開始することができます。
    自己がん組織樹状細胞療法は、基本的に2週間ごとに外来で皮内注射するだけの簡単な治療で、痛みもほとんどなく、すぐに終わります。
    通常、1クール5回程度の治療を数回おこないます。(1クールごとの治療回数やクール数につきましては、患者様によってことなります)
    ※抹消血:手足など末梢部位を流れている血液